不動産屋を騙す男【青木】
※以下に記す内容は、すべて私が実際に経験した事実に基づくものです。
創作や誇張は一切なく、実際に発生した出来事を、当時の状況に即して記録したものであります。
これは私が今より10キロ以上痩せていた頃の話・・・(いつだよ)
外回り営業から戻ると、事務所の中がやけに賑やかに感じた。
代表と事務員さんが『新築の売買が決まった!』と嬉しそうな表情で出迎えてくれた。
事前に反響もなかったので不思議に思ったが、私が不在の間に飛び込みのお客様が現れ、案内も済ませ、
さらには現金購入の申込書まで先方に送信済みだという。
『ここからは小山くん担当して』と代表から言われ、お客様が待つ応接室へ。
そこにいたのは、【青木】と名乗る中年男性。
薄汚れた格好、ボロボロのリュック、年齢は50歳前後。
一人でソファーに鎮座するその姿に、違和感を覚えつつ挨拶を交わした。
ただどこかで見たことがある気がするけど…思い出せない。
私は『失礼ですが、私とどこかでお会いしたことありませんか?』と聞くも青木は『無いと思います』と返答。
資金計画や家族構成、購入動機などを改めて伺い、契約日も確定。
帰りは青木の自宅の近くだと言うコンビニまで送迎。
車内では仕事の話などをして、終始和やかな雰囲気。
普通のお客様にしか見えない。けれど、胸の奥に小さなモヤモヤが残る・・・
青木を降車させ会社へ戻る道中、記憶の扉が一気に開き、そのモヤモヤが答えに変わった!
青木は、私が以前に某建築現場で見かけた交通誘導員の男だったのだ(ナイス記憶力)
しかも、前歯が抜けたまま大声で電話をし怒鳴っていた、あの強烈キャラ(前歯が抜けたままってどうゆうこと?)
当時の私はそんな強烈キャラが気になり、青木の電話が終わるタイミングを見計らって話し掛けてみた。
『工事やらないんですか?何かありましたか?』と聞くと
どうやら青木はバイトの日を間違えて建築現場に来たらしく本部に憤慨していたのであった。
『わざわざ遠くから来たのに!』と逆ギレ!
私は『アホか!間違えたアンタが悪いやろ!』と心の中で全力ツッコミしたのを覚えている。
それでも『大変ですねぇ』と笑顔で返した。

まさかその男が、新築を現金購入するというシナリオで私の前に現れるとは…
こんな伏線回収があるのかと腰を抜かした。もちろん私がこの不動産会社にいることも知らないのに。
会社に戻り一目散に代表と事務員さんにその事実を伝えたが、もちろん信じてもらえない。
『本当かぁ?勘違いだろ』と。
申込書の番号に電話しても繋がらない。何度時間を置いてもダメ、折り返しもなし。
その日は『明日もう一度確認しよう』と言うことで終わった。
翌日になっても連絡はつかず、だんだんと事務所の空気が『これは…怪しい』という方向に。
余裕だった代表の顔色も、次第に曇っていく。
それを横目で見ながら、ほくそ笑んでしまったのはここだけの話(小山は心の前歯が無い)
代表が同業何社かに確認すると『不動産屋を狙う愉快犯がいる』との情報を掴み、内容も類似していたため確信を得た代表は、
先方に連絡し一部始終を伝え購入申込をキャンセルし、事なきを得たのであった(小山まったく信用されてねーな)
ただし、青木のプロフィールや受け答えは驚くほど完璧だった。
勤務先は赤十字血液センター、妻は教師、世帯年収1500万円、娘が3人で生年月日や名前などのバランスもいい。
勤務先の業務内容の受け答えも疑う要素は何も感じられない。
字も綺麗で自信に溢れたもの。会話もテンポよく穏やか。転勤の苦労や故郷の話などもしていた。
免許証や保険証は『自宅に戻ったら送ります』とのことだったが、前歯と単独即決以外は雰囲気的に誰だって信用してしまうかもしれない。

実際は交通誘導員で前歯を失った迷える中年。
現実的には3500万近い新築を『現金購入』することは難しいであろう。
なぜそんな手の込んだ嘘をついてまで、わざわざ不動産屋を騙そうとするのか。
趣味?ストレス発散?暇つぶし?怨念?夢の続き?いまだに理解できない。
頭の回転も速く流暢な会話は何だったのだろうか(その能力は違うところに注げよ)
この出来事から学んだのは【信じる力】と同じくらい【疑う力】も必要だということ。
もしあの日、建築現場で青木と出会っていなかったら、私もきっと『青木さま~♡』と太鼓を叩いていたと思う(ドドン)
不動産業界はドラマよりドラマチックで、
映画のワンシーンのようなことも平気で起こります。
そして、登場人物は意外と前歯が抜けていたりする(するかーい)
笑い話のようですが、これは実際にあった出来事です。
不動産の現場だけに限らす、世の中には思わぬ落とし穴が潜んでいます。
詐欺などハタから見ると『そんなことで騙されないだろ!』と思うことが多いですよね。
けれど実際には、騙される人の多くは特別に注意力が欠けているわけでもなく、むしろ真面目で誠実な人が多い傾向です。
人は一つでも安心できる要素があると自然と疑う心を弱めてしまいます。
加えて、『信じたいものを信じてしまう』という人間の心理が働くため、冷静さよりも期待値が高まってしまうのだと思います。
つまり、騙しのテクニックと言うよりも、人間の本能や心理の隙を突かれているのだと考えられます。
同業の方はもちろん、一般の方もどうかお気をつけください。
おい青木!偽計業務妨害に当たるから気を付けろよ!その器用さを活かして真面目に労働して真っ当に生きろ!それと前歯は入れろよ!幸せが逃げていくぞ!
常識では考えられない出来事、アンビリーバボー。
あなたの身に起こるのは、明日かもしれません・・・


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